「一匹羊」 山本幸久
「一匹羊」 山本幸久
日常の何気ない場面を切り取った短編集
表題の一匹羊は最後に登場する短編です。
縫製工場に勤める大神亮治。昔は一匹おおかみで
社内でも理不尽なことにははむかっていたものなのに、
今の自分は営業部長にいい返すこともできない・・・
お仕事小説を書いたら天下一品の山本さんの短編集です。
ほかにも自分にご褒美をあげたくなる瞬間をきりとった
物語や、長年つれそっただんなさんからちょっとはなれたく
なったお母さんの話など、「ん~わかる~」がいっぱいです。
「一匹羊」では職場体験にきた中学生のことばに
はっとする大神さんがちょっとだけ昔の自分を
取り戻したりします。ヒーローは登場しませんが、みんなが
ヒーローになれる作品です。